本日もご訪問いただきましてありがとうございます。
簿記2級の第1問の範囲の内容を書いています。
本日は債務保証についてです。
このテーマはひたすら仕訳パターンを覚えるだけです。
他人の債務の保証をしたときには、万が一、補償をした相手が債務を支払うことができ
なければ、代わりに債務の支払いをしなければなりません。
このように、現在は債務ではないが、将来債務となるかもしれない事象は、
偶発債務といい、仕訳でこれを記録しておくことになります。
仕訳は次のような対照勘定を用いて行います。
【例1】借入金¥3,000,000の保証人となった。
(借) | 保証債務見返 | 3,000,000 | (貸) | 保証債務 | 3,000,000 | ||||||
将来の債務になる可能性のあるものが貸方側に保証債務という勘定科目で記入されま
す。しかし、代わりに支払うということは保証した借り入れをした本人に対して代わ
りに支払った分を自分に返せと請求できるので、それを借方に保証債務見返という勘
定科目で記入します。
このように、対照勘定は借方と貸方が同時に出てきて、同時に消えます。
【例2】債務の保証をした¥3,000,000の借入金が無事返済された。
(借) | 保証債務 | 3,000,000 | (貸) | 保証債務見返 | 3,000,000 | ||||||
【例3】かねて広島商店の借入金¥3,000,000債務の保証をしたが、期日に返済
されず、債権者から元利合計¥3,300,000の支払いを求められ、小切手を振り出
して支払った。
(借) | 未収金 | 3,300,000 | (貸) | 当座預金 | 3,300,000 | ||||||
(借) | 保証債務 | 3,000,000 | (貸) | 保証債務見返 | 3,000,000 | ||||||
支払った元利合計は債務者本人に対して、請求することになるので借方未収金とし、
現実に支払ったことにより、偶発債務はなくなるので対照勘定を取り消します。
「簿記2級 商業簿記のポイント」を読んでいただきたい
と思っています。
ぜひ、お友達にもたちばなん の 「簿記2級 商業簿記のポイント」をご紹介ください!
2月の試験は勉強が間に合わなくて受けることができませんでした(+_+)
早速ですが、債務保証費用と債務保証見返が区別できません。
例)借入金の連帯保証人になった
(借)債務保証見返 (貸)債務保証
これは簡単なので分かります。
ですが、ある問題集で
例)A商店では、B商店振り出しの約束手形\900,000につき債務保証を行った。
(借)債務保証見返 900,000(貸)債務保証 900,000
となっていました。
裏書・割引した手形だけが借方が「債務保証費用」となるという事でしょうか?
そして、債務保証費用と債務保証で仕訳したときは、
その手形が無事決裁されても不渡りになっても、
(借)債務保証 (貸)債務保証取崩益
という仕訳は必ずするという理解であってますか?
検定試験を受けることができなくて残念でした。
次の検定試験は勉強が間に合わなくても
ぜひ受けてください。
必ず得るものはあります。
合格証書には「何回目で合格」という言葉は書いてありません。
たとえ勉強が間に合わなくても
その次の検定試験に向けて勉強を進めていくときには
1回でも本試験を受けたという経験が役に立つことが
多いはずです。
さて、ご質問の件です。
「見返」という勘定科目を伴う対照勘定の仕訳は
偶発債務を忘れないために
帳簿上で行う仕訳です。
貸借対照表にはこの対照勘定の仕訳で用いた勘定科目は出てきません。
偶発債務というのは
「もしかしたらこの金額の支払いをしなければなりませんよ」
というものです。
他人の債務の保証をしていると
債務を負っている本人が支払いをすることができなくなったら
自分が支払いをしなければなりません。
そのようなものを偶発債務というわけです。
この偶発債務は「注記」といって、
貸借対照表の下のほうに
注意書きのような形で書くことになり、
その準備として「見返」という勘定科目を用いて
偶発債務の総額を仕訳であらわすことがあるのです。
そのような意味では、
手形の裏書、割引をしたときに
その手形が不渡りになれば
自分がその手形の額面総額の支払いをしなければならない
という可能性がありますので、
偶発債務の仕訳を行うこともあります。
例えば、手形を裏書したときに
(借)手形裏書義務見返×××
(貸)手形裏書義務×××
などという仕訳になります。
繰り返しになりますが、
このような仕訳を行う意味は
「貸借対照表に注記するため」だけです。
最近の参考書や問題集ではこの部分の仕訳を
省略しているものも多くあります。
一方、このような手形の不渡りによる偶発債務は
現実のものとなる可能性があって、
「現在のもっとも新しい会計のきまり」では
その可能性を金額に換算して
損益計算書に費用として、
また、
貸借対照表に負債として
書かなければなりません。
これは「注記」ではないので
具体的な勘定科目と金額が
損益計算書と貸借対照表に記載されることになります。
そのための仕訳が
(借)保証債務費用×××(貸)保証債務×××
になります。
この場合の金額は手形の総額ではありません。
不渡りになる可能性をあらわすので、
具体的には試験問題に「保証債務の時価は額面の○%である」
などと書かれています。
その割合を額面の金額に掛け算して求めてください!
最近の検定試験では、この部分に関しての出題がありませんので、
どのような出題になるかは全くわかりません。
そのようなものは試験対策の常として
あまり細かな部分にこだわらずに
典型的な問題のみを練習しておくことが
重要だと思います。
参考までに書いておくと
(借)保証債務費用×××(貸)保証債務×××
の仕訳とともに
(借)手形裏書義務見返×××
(貸)手形裏書義務×××
の仕訳を求めることもあります。
この二つの仕訳の目的は全く別です。
【参考】
『新検定簿記講義 2級商業簿記』(中央経済社)
『段階式日商簿記 2級商業簿記』(税務経理協会)
次の質問です。
【その手形が無事決裁されても不渡りになっても、
(借)債務保証 (貸)債務保証取崩益
という仕訳は必ずするという理解であってますか?】
偶発債務自体がなくなるのですから、
その手形が無事決裁されても不渡りになっても、
この仕訳は必要です。
また、「見返」がついた対照勘定の仕訳が行われていた場合には、
その反対仕訳も行います。
ありがとうございます。
なるほど!そういう事なんですね!
いつも分かりやすいご回答ありがとうございます。
頑張って勉強しまくります。